第109章 死ぬより辛い思いを味わう

このとき、横尾彰人の顔から血の気が引いた。

目の前の光景が信じられない――という表情。

まさか……南雲玲奈?

つまり、今夜自分と席を取り合った「特別な上客」ってのは、あの女だったのか。

――あいつに、どうやってここが取れる?

そんな財力もツテもないはずだ。

「今夜、あの女は誰と来てる?」

横尾彰人は隣のマネージャーに、険しい声で問いかけた。

マネージャーは一瞬ためらい、答えるべきか迷う。

だが小高文也が「言っていい」と目で促したため、仕方なく口を開いた。

「予約を入れたのは……若い男性です」

その瞬間、横尾彰人の中で何かが繋がった。

――やっぱりな。男と食事してやがる...

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